仮想化エンジニア奮闘記

Citrix や VMware といったサーバー・デスクトップ仮想化の最新技術や設計情報の検証結果を共有します。(本ブログは個人のものであり、所属する会社とは関係ありません。)

vSANやるぞー!(2)-そもそもvSANってなんだ

皆さまお疲れ様です。

 

告知していた通り、Citrixの記事と並行してvSANの記事を投稿します。

今回は初回ということで、vSANの概要や構成要件について記載します。

 

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次:vSANのディスク構成

 

元々、vSANはvSphere 5.5から実装された機能で、2014年4月に提供が終了されたvSphere Storage Appliance(VSA)の後続製品として発表されたと記憶しています。

Software Defined Storage製品として、2017年現在ではHCIと組み合わされて使われることがほとんどです。

 

ちなみに、2017年9月21日時点でのvSANの最新版は、vSAN 6.6.1となります。

(vCenter 6.5.0 Update1 以降で対応)

 

 

その1.そもそもHCIってなんだ?

vSANとセットで出てくる用語に、HCIというものがあります。

Hyper Converged Infrastructure の頭文字を取った用語です。

 

~~~HCI以前の一般的なハードウェア構成~~~

現在でも企業の一般的なハードウェア構成は下記の通り、Network + Server + SAN + Storage という構成かと思います。

NW・サーバー・SANとコンポーネントが分散されることで、パフォーマンスと拡張性が高いインフラ構築が可能です。

その一方で「コンポーネントが分散されることで専用の管理者が増え、運用コストがかかる。」「サーバー追加の際に既存機器の設定変更が多くなり、迅速なサーバー追加が不可能。」などのデメリットもあります。

 

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~~~HCIのハードウェア構成~~~

 HCIではSSD / HDDが内蔵されたサーバーを複数台準備し、ソフトウェアでローカルストレージを1つの共有ストレージとして認識させることで、SANの管理が不要となり、シンプルな仮想化基盤が構築できる点が特徴です。

この「ローカルディスクをまとめて共有ストレージに見せるソフトウェア」がvSANです。

今までは新規サーバーを導入する場合も、SANスイッチのゾーニング変更や、ストレージのホストマッピング追加など設定変更箇所が多かったところが、HCIではサーバーを追加し、Web Clientで数クリックをするだけで追加が完了します。かつ、管理者もサーバー管理者のみでよくなります。従って、HCiではHCI以前のインフラ基盤のデメリットが解消されます。

パフォーマンスについても、All Flashであれば25,000 IOPS~80,000IOPS(※)などEntry~ミドルレンジのストレージに近いIOを出すことが可能です。

 

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vSAN Ready Nodes AF2~8のMaximum IOPSより

 

 

その2.そもそもvSANってなんだ?

その1.でvSANは「複数サーバーのローカルディスクをソフトウェアでまとめて1つの共有ストレージに見せる機能」と記載しました。

但し、vSANはストレージのようにVolumeという概念はなく、RAIDを構成したりプールからボリュームを切り出したりする作業は行いません。

 

vSANは簡単に言うと、下記の特徴を持っています。

①複数台のESXiのローカルディスクをまとめ、共有ストレージを作る

②ESXiのローカルディスク構成は All Flash or Hybrid(SSD+HDD) の2タイプある

③各ESXiは最低1つのSSDが必要

④③の1つのSSDはRead Cache 70% / Write Buffer 30%用のCache Diskとして使用される(vSANデータストア容量には含まれない)

⑤Cache SSD以外のSSDまたはHDDはCapacity Diskとして使用される(vSANデータストア容量に含まれる)

⑥Cache Disk×1、Capacity Disk×n(最大7)でディスクグループを作る

⑦ディスクグループは1ESXi当たり最大5個設定が可能

⑧vSAN自体にはRAIDという概念はないため、vSANデータストアは「Capacity Disk×ディスク本数分」の容量となる

⑨vSANデータストアはクラスターで1つだけとなる

RAIDのような耐障害性はvmdkを複数ホストに分散配置することで実現する

⑪⑩を実現するため、各仮想マシンに「仮想マシンストレージポリシー」を適用する

⑫⑩を実現するため、ストレージポリシー内でFTT(何台のホスト障害に耐えれるようにするか)を設定する

⑬FTTで設定した台数のホストにvmdkが保存される(FTT=1、40GBの仮想マシンなら、2台のESXiのCapacity Diskに40GBのvmdkが保存される)

⑭⑬でvmdkが保存されたESXi以外のホストに、Witness用のデータが保存される

⑮vSANデータ連携用のネットワーク(VMkernel)が必要。All Flashの場合は10Gbps、Hybridの場合は1Gbpsが最低でも必要

 

箇条書きで要点をまとめましたが、vSANの概要図は下記の通りになります。

私も実際に触るまでは、vSANを「ローカルディスクをソフトウェアRAIDで組む機能」だと誤認識していました。実際はvmdkファイルの分散配置で疑似的にRAID(のようなもの)を実装し、耐障害性を実現しているイメージとなります。

 

 

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その3.vSANを組むには何が必要?

前提条件は、Requirements for Enabling vSAN の記事を見るのが近道です。

下記をご参照下さい。(vSAN 6.6の記事となります。)

Requirements for Enabling vSAN

 

それでは本日は以上となります。

長々とありがとうございました。